KANONARA

物語構造

ピカレスク小説

腐敗した社会を、機知で生き延びる、身分は低いが魅力のあるならず者主人公の冒険を描く散文フィクションのジャンル。

ピカレスク小説とは、「腐敗した社会を、機知によって生きる、通常は低い社会階級出身の、ならず者ではあるが魅力のある主人公の冒険を描く散文フィクションのジャンル」です。名前はスペイン語のピカロ(pícaro、ならず者、ごろつき)に由来し、ジャンルは作者不詳のスペイン小説Lazarillo de Tormes(1554年)に始まりました。ピカレスク小説は「挿話的な散文叙事」という形式を現実的な文体で取り、「喜劇と風刺の要素」をしばしば含み、全体を貫く筋はほとんどなく、改心しない主人公を持ちます。「一度ピカロになった者は、永遠にピカロ」。『ドン・キホーテ』は「準ピカレスク的な叙事」であり、デフォーの『モル・フランダーズ』やトウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』がこの形式を先へ運びました。

この型が連載書き手に大事なのは、二つの問題を一度に解くからです。「めったに定職につこうとしない」くせに、いつも一つ筋書きを抱えている主人公は挿話を無限に生み出し、緩く挿話的な形は章ごとの出版に合います。この巨視的な構造はWeb連載の構成の選び方が地図化しています。教養小説(ビルドゥングスロマン)に対しては、これは反対の弧です。成長物語の主人公は経験によって変化し、ピカロはそれを変化せずに生き延びる。だからピカレスクは、発展ではなく蓄積によって育ちます。

出典

関連項目